アメリカン・ポップスの現在形



M.Ward / Hold Time


Published»
2009
4AD Records
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M. Ward - Hold Time
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去年の最大の収穫はM.Wardを知ったこと。それはShe&Himの新作でのことだけど、その中心人物、いや今やオルタナティブな世界を含んだアメリカン・ポップスの重要人物であるM.Wardの新作が2009年早々にリリースされたので、これが今日の1枚。

私もまだこの人がどのようなカタチで世に出てきたのかまで調べてはいないけれど、ギタリストとしていろいろなアーティストの作品に参加しているようです。
例えば、Cat Power, Bright Eyes, Norah Jones, Jenny Lewis, Jolie Holland, Neko Case.......、うわ、渋っ。
このメンツを見るにM.Wardという人は、ルーツ・ミュージックに対する造詣が深いんだろうなぁと想像できますね。で、She&Himで見せた50、60年代のアメリカンポップスまで取り込んでアメリカン・ポップスの今を魅せてくれました。

そんなM.Wardの最新作もこれまたネタ満載(笑)。
まずアルバムを一通り聴いて印象に残るのが、アルバム全編を覆うボーカルのエコーですね。ロイ・オービソンに代表される50年代ロック創世記にあった音ですよ。。。
それからE.L.O(笑)。「To Save Me」なんてE.L.Oのロックンロールスタイルのアレンジにそっくりだし(ビーチボーイズにも似てるね)、「Hold Time」のシンセなんてTimeの頃にあったインストの音にすごく似ていて笑えます。
そして途中からダ・ドゥ−・ロンロンばりのスペクターサウンドが炸裂するまさにウォール・オブ・サウンドの「Stars Of Leo」。

また、自分のルーツを確かめるがことくカバー曲が2曲。今、事故死から50年目を迎えて何かと再評価の気運が高まっているバディ・ホリーの「Rave On」。さらにそのバディ・ホリーにも影響を与えるドン・ギブスンの「Oh Lonesome Me」。

曲は最高だし、アレンジも言う事なし、サウンドも素晴らしいんだけど、惜しむらくはM.Wardのボーカル(笑)。いわゆるヘタウマ系狙いなんだけど、この曲とサウンドにはイマイチ。ボーカルを誰か別の人にしてもう一回楽しめそうなんですが(笑)。。。

そういうわけで、相方ズーイ・デシャネルが2曲、ルシンダ・ウィリアムズが1曲参加しています。

早くも2009年上半期新譜のトップ5候補登場です。

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