飾らないチカラ

The Jayhawks / Tomorrow the Green Grass


Published»
1995
American Recordings
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The Jayhawks - Tomorrow The Green Grass
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Jayhawks (band)


ここ1年ほど一緒に仕事をしているヤツで音楽好きがいるので、珍しく会社でもよく音楽の話をするようになった今日この頃。そいつは私が学生の頃よく通った今は亡き渋谷のマニアックな60's〜80'sあたりのリイシューを中心としたCD/レコード屋さんでも働いていたという変わり種。(たぶん一度は顔を会わせていたはず・・・。)

そいつが、
「今、アメリカン・ロックって気分なんスよね。何かいいのないですかね?」
と言うので、ニヤニヤしながら真っ先に頭に浮かんで聴かせたのが今日の1枚。

ジェイ・ホークスの通算3枚目にして『名盤』と言われているこのアルバムは、私がここ10年で一番好きなアルバムなんですよね。
そして10年以上前の私ならこの手のアメリカン・カントリーロックアルバムはあんまり好きではなかったのに、ここ10年くらいで急激に好きになったキッカケともなったある意味今の私の象徴的なアルバムでもあります。

なにしろマーク・オルソンとゲイリー・ルイーズという希代のソングライターが二人で紡ぎだす心の琴線に触れまくるシンプルで美しいメロディに、これまた2人で奏でるヘタウマ・ハーモニーがのると鳥肌ものなのですよ。
あぁ、もうつべこべ言わず1曲目の「Blue」を聴きなさいっ!って感じなんですよね。この曲はある意味このアルバムの象徴的なベストトラックなのでこの曲で何も感じない人はダメ、ダメ、ダメ!(笑)。

当時はオルタナティブ・カントリー・ロックなんていうキーワードで語られた1枚だけど、今何度も何度も聴き返してみるとアメリカン・ロック以外の何モノでもないんだなぁと思います。
飾らない、気取らない、とってもピュアで素直な作品ばかり。そんなところが最近の自分に響いてるんだなと感じています。


マーク・オルソンはこのアルバムを最後にジェイ・ホークスを脱退してしまいます。理由がまた泣けます。
彼の奥さんであるところのビクトリア・ウィリアムス(彼女も才能あるシンガーソングライター)が難病の多発性硬化症に侵されてしまったために、できるだけ彼女のそばにいる時間を増やしたいというのが脱退の理由。
今も二人三脚で病気と闘っています。

一方のゲイリー・ルイーズも混迷の時期に突入します。以後この素晴らしいアルバムが呪縛となってしまい、リリースする作品がことごとく批判されてしまうのです。(私はとっても好きなんですけどね)マーク・オルソンが抜けてしまってたった1人で立ち向かわなければならないプレッシャーは相当なものだったに違いありません。
ところがどっこい、2003年リリースの「Rainy Day Music」で見事このアルバムの呪縛をふりはらって再度『名盤』を産み出します。

さて、これから、と思っていた矢先、2006年突然ジェイ・ホークスは解散してしまうんですよ(泣)。残念。
ところが最近マーク・オルソンのソロ名義でリリースされた新譜が、なんとほんとんどゲイリーとの共作であるという情報が!(ホラ、ジャケットにもしっかり二人が映っているでしょ)。
早速アマゾンに発注したのですが、取り寄せに時間がかかっているようでまだ到着してません!。出荷状況をチェックしている毎日です。

Ready for the Flood
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