すでに1月も終わろうとしてますがいつもより冬休みを多くとった自分としてはやっといつもの日常に戻ったかなという感じの2012年の始まりでございます。遅ればせながら今年もゆったりと(笑)更新していきたいと思いますのでよろしくお願いします。
さて、いつもは新譜に限って年間ベスト的なことをしてきましたが、昨年はいろいろあって新譜を聴いた量が少なかったのでベストっていうほどのインパクトがないなーってことで、昨年購入にしたリイシューCDでよく聴いたものをご紹介しようと思います。新譜編も後日やろうと思いますが思い入れの強い方から(笑)。
といっても英国ACEか米国Legacyあたりのものばっかです(笑)。まぁリイシュー業界もこのあたりからしか良質なものが出ないのも事実です。そういうわけでよく聴いた10枚です。
The Fame Studios Story・1961-1973 Home Of the Muscle Shoals Sound / Various
(ACE Records Ltd/Kent Records トップ画像参照)いや〜、このCDは良かった、ホント。僕はブラックミュージックが苦手なほうなのですが、これは思いっきり聴きこみましたよ。自分のなかでスタックスとフェイムっていまいち混同してる部分があったのですがこのCDで解消されました。いつか読んだ「スイート・ソウル・ミュージック」 を読み返しつつリック・ホールとダン・ペンという才気あふれるソングライター/プロデューサーを中心に創られたバラエティに富んだサウンドを堪能できるCDでした。
英国ACEはこのフェイム・スタジオで膨大なマスター・テープを発掘したとのことで、これから次々とフェイム・スタジオで生まれた音楽をシリーズ化してリイシューしていくようなので断然楽しみになってきました。
Phil Spector Presents The Philles Album Collection / Various
(Legacy)ついに来た、という感じですね。プィル・スペクターがレスター・シルと創ったレーベル、フィレスの初期名作LPがリマスターされてボックスセットとして登場しました。フィレス・レーベルのオリジナルLPはどれも法外な値段がついてやり取りされているので、こうやってボックスセットとはいえオリジナルLPが手軽に聴けるようになったのは嬉しい限り。
ただね、こうしてフィレスのLP群を聴いてるとやっぱりシングル盤が欲しくなるんですよ。わかっちゃいたけどやっぱフィレスのLPはシングルの寄せ集めなんですよね、どれもこれも。もちろん隠れた名曲もあるんだけど、真骨頂はやっぱりシングル。あぁ、罪なボックスセットだ。。。
The Dore Story Postcards from Los Angeles 1958 - 1964 / Various
(ACE Records Ltd)こちらはACEお得意のレーベルコンピもの。初期ジャン・アンド・ディーンやスペクターのテディ・ベアーズなんかをリリースしていたL.A.のローカルレーベル、ドーレの作品集です。ホワイト・ドゥー・ワップスタイルのポップな名曲が多くて我が家のターンテーブルによくのっていました。でもこれに収録されているアーティストはほとんど知らないんですよね。ソングライターも全然知らない人が多くって、こういうのを見ると自分はまだまだだなって思いしらされて刺激的なのです(笑)。
Shelby Flint The Complete Valiant Singles / Shelby Flint
(Real Gone Music)こちらはライノ系の新興レーベル、リアル・ゴーン・ミュージックの一連のコンプリート・シングル・シリーズからはシェルビー・フリントが良かったです。
シェルビー・フリントというとフォーキーな元祖ささやき系ウィスパーボイスなイメージがあるんですが、中期から後期にかけてはかなりポップな佳曲が多いんですね。バリー・デボゾーンやアドリッシ・ブラザーズ、ペリー・ポトキン・ジュニアあたりのソフトロック系スタッフが作っていたんだからそりゃあレベルは高いですよね。
Soul Togetherness Presents The Skip Scarborough Songbook / Various
(Expansion Records)ソウル系ソングライター、プロデューサーであるところのスキップ・スカボロウの作品集も結構聴きましたね。スキップ・スカボロウはアース・ウィンド・アンド・ファイアーやエモーションズなどモーリス・ホワイトとの仕事が有名だけど、とりわけミディアム〜スローバラードが印象的な作家です。フュージョン系インストなんかもやってるそうですよ。
The London American Label Year By Year 1963 / Various
(Ace Records Ltd)ACEで今も続いているシリーズ、英ロンドン・レーベルからリリースされたアメリカン・ポップスの年度別コンピ。この1963年っていうのが強力で、クリスタルズ、レインドロップス、ボブ・B・ソックス・アンド・ザ・ブルージーンズ、ロネッツ、ダーレン・ラヴ、とフィレス勢が席巻した年なんですよね。他にもロイ・オービソンのIn Dreams、ドリフターズのI'l Take You Home、ロビン・ワードのWonderful Summer、リトル・エバのLet's Turkey Trot、、、JB、マーシー・ブレイン、レイ・ピーターソン、ライチャス・ブラザーズ、ジェリー・リー・ルイス、ルビー・アンド・ザ・ロマンティックスなどなど、もうアメリカンポップス花盛りの年なんです。これが一枚のCDから流れてくるんだから悪いはずがないです。
Our Lives Are Shapeed By What We Love: Motown's Mowest Story 1971-1973 / Various
(Light In The Attic Records)僕はモータウンが大好きですが、僕の中ではデトロイトにあった1971年あたりまでで終わっていてそれ以降はあまり興味がありませんでした。コレはモータウンがそのロサンゼルスへ移ってからの派生レーベルMOWESTからリリースされた全16曲の作品集です。フォーシーズンズ、オデッセイあたりの有名どころや、コモドアーズ、テルーマ・ヒューストン、おまけにスージー・イケダなんてのも収録してあって聞き応えあります。
James Burton The Early Years 1956-1969 / Various
(Ace Records Ltd)69年以降のエルビスの復帰時のバンドのギタリストとしてや、リッキー・ネルソンのギタリストとして有名な息の長いスタジオミュージシャンの69年まで彼が携わった作品集です。
例えばリック・ネルソン、エバリー・ブラザーズ、バッファロー・スプリング・フィールド、あたりのカントリー系のサウンドがスタイル。っていうのは知っていたけどThe Shindogsなんていうマージービートスタイルもカッコ良く演奏しているのはとっても印象的でしたよ。
Sweet Inspiration The Songs of Dan Penn & Spooner Oldham / Various
(Ace Records Ltd)昨年もいっぱいリリースされたお馴染みAceのソングライター・シリーズからダン・ペンとスプーナー・オールダムのコンビの作品集がよかったです。この人たちが作るミディアム〜スローバラードものの哀愁感とか高揚感ったらないですね。特に先頃亡くなったエタ・ジェイムスとかパティ・ラベルあたりとかが泣けます。私が好きなのはベタですがボックス・トップスのEverything I Amですかね。アレックス・チルトンのヨレ具合いと素敵なピアノのアンマッチがたまらんです。あとはシャッフル・リズムがモータウンっぽいポップスに仕上がってるトミー・ロウのWish You Didn't Have To Goですかね。
Roy Orbison The Monument Single Collection (1960-1964) / Roy Orbison
(Legacy)あんまりAceばっかりだとアレなんで(笑)、最後はロイ・オービソンのモニュメント時代のシングル集にライブDVDがついた生誕75周年記念盤。オリジナルMonoミックスでのリイシューは初めてとのこと。日本ではプリティ・ウーマンだけの人ですが、特にボーカルスタイルはその後のミュージシャンに多大な影響を与えた人だと私は思っています。私が18歳のときから好きな大名曲Running Scaredももちろん収録されていますよ。
という感じの2011年のリイシュー編でした。まぁACEかLegacyかってところなんですよね、ぶっちゃけ。そのなかでもFame Studio Storyは頭ひとつ抜きん出てました。というかこの盤をいいと思った自分にちょっと驚いてます、正直。今までR&B系は苦手分野だったので。ちょっとは進歩してるのかな、俺。
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